2016年上半期ベストセラー2位!「眠くなる絵本」が売れた2つの理由
- 市場動向
- 2016.10.27
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2016年上半期ベストセラー10
2016年も後半に入りました。
2016年上半期のベストセラー1位~10位は以下のとおりです。(トーハン調べ)
1位 天才(石原慎太郎、幻冬舎)
2位 おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本(カール=ヨハン・エリーン/三橋美穂 監訳、飛鳥新社)
3位 正義の法 憎しみを超えて、愛を取れ(大川隆法、幸福の科学出版)
4位 羊と鋼の森(宮下奈都、文藝春秋)
5位 君の膵臓をたべたい(住野よる、双葉社)
6位 火花(又吉直樹、文藝春秋)
7位 嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え/幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え(岸見一郎・古賀史健、ダイヤモンド社)
8位 置かれた場所で咲きなさい(渡辺和子、幻冬舎)
9位 あの日(小保方晴子、講談社)
10位 きえた!? かいけつゾロリ(原ゆたか さく・え、ポプラ社)
どれも、書店で大々的に陳列され、話題になった書籍ですね。
ご覧になったものも多いのではないでしょうか?
特筆すべきは、2位に「絵本」がランクインしていること。
今回は2位に輝いた『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』を取り上げます。
世界的な『おやすみ、ロジャー』ブーム
著者はスウェーデンの大学講師、カール=ヨハン・エリーン氏。
なんとこの絵本、はじめは自費出版されたものだったそうです。
この絵本を自費出版し、その後英訳したものが流通したことで、イギリスで話題になりました。
その後アメリカの大手出版社が版権を獲得し、発売され、アメリカ、イギリス、スペイン、フランスでAmazon総合ランキング1位に輝いたのです。
日本でも、Amazon総合ランキングの上位をキープし、書店でも大きく展開されていましたよね。
40か国で翻訳されることも決まっており、世界的大ベストセラーとなっています。
読むと眠くなる?不思議な絵本
タイトルにも“おやすみ”“ぐっすり”とありますが、この絵本、「読むと眠くなる絵本」なのです!
帯にも“たった10分で、寝かしつけ!”と掲出されています。
あらすじは、眠れない子うさぎ“ロジャー”が、魔法使いの“あくびおじさん”に会いに行くというもの。
ロジャーはあくびおじさんの魔法にかかり、家に帰ってぐっすり眠ることができます。
文章の途中に、ここであくびをする、ここには読み聞かせる子どもの名前を入れて読む、声を強めて読む、などの指示が入っているのもポイントです。
自費出版から大ベストセラーになった秘訣とは
2011年の自費出版から、5年経った今なお売れ続ける大ベストセラーになった『おやすみ、ロジャー』。
こんなにも人気を博した理由として、以下の二つが挙げられます。
①心理学の理論に基づいてつくられた他にない、まったく新しい絵本だったから
②「子どもがなかなか眠ってくれない」という世界共通の悩みを解消するものだったから
書籍の企画を立てたり、見直したりするときは、その書籍の特長とおすすめポイント、そしてターゲットにポイントを置いて検討してみるといいかもしれません。