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占い猫パトロール  その1

D.Y


約 1132

失恋した。

 

4年近く付き合った彼からのメールや連絡の返しが遅くなり、返信の頻度も少なくなり、最後に会った日から2カ月経ったころ待つことに疲れてしまった。そして待ちくたびれ、自分の気持ちが分からなくなった頃にサヨナラとメールした。彼は、仕事に忙殺されていくうちに私への気持ちが薄れていったらしい。が、それは本当の理由だったのだろうか。

 

もやもやした気持ちを3ヶ月間も抱えながら過ごしてきた期間に、私はありとあらゆる占いに通い、彼の気持ちや、二人の過去、現在、未来を何度も占ってもらった。霊視霊感ができるというスピリチュアル占い、数秘術占い、タロット占い、易占い、西洋占星術、四柱推命、手相占い、何度も通い総額6万円以上使ってしまった。冷静に考えると6万円もあれば洋服や靴などを買って、美味しいものを食べたほうが良かったのかもしれない。

 

でも不倫した上に捨てられた話を親身に聞いてくれるような友人はいない。友人や知人に話せないようなことを相談したり聞いてもらうには「占い」に行くのはとても都合が良い。お互いに素性は知らなくても悩み相談室代わりに聞いてくれるし、占ってくれるし、対処方法などもアドバイスしてくれる。料金は所要時間に比例するから、長くなっても1回につき1時間以内に終わらせる。

 

それにしても、つくづく「占い師」って本当にオイシイ仕事だなぁと思う。他人が自ら秘密や相談を打ち明けてきたと思ったら、お金までもらえる。はっきり言って占いの結果が当たっていようが外れていようが占い師には問題ない。仮に占いの結果通りにならなかったとしても、「時間が経過したとともに運命が変っのですね」とか何とか適当な言い訳をすればいいんだもの。ちょっと人気出れば楽しくて仕方ないと思う。

 

彼と別れる前に、横浜のとあるカフェに立ち寄った時のこと。お花屋さんの隣にカフェが隣接されていて、その一角で「スピリチュアル占い」の看板が目に付いた。どうやら霊視できるらしい。その占い師さんは、一見したところ普通の主婦。体系はドラミちゃん。どちらかというと地味な感じで野暮ったさも感じる。あなたは霊視を信じますか?

 

その占い師さんは、バツ2だそうで高校生になるお子さんがいるとのこと。母子家庭の支援を受けていて、金銭的にもそれほど裕福には見えない。後々質問したところ、自分のことも霊視できるとのこと。それにしても大して幸せそうに見えないこの人は本物のスピリチュアルなのだろうか?

 

次は、入れ歯をフガフガさせているどう見てもお小遣いかせぎのために占い師をしているようなババァについて話したいと思う。