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理想の人生 理想の教育

西村俊樹


約 11377

はじめに
1.職業選択は自由
2.多くの職業選択肢
3.再度チャンスがあれば
4.女性の活躍
5.理想の学校
  Ⅰ.大学が変わらなければ社会は変わらない
  Ⅱ.理想の教育
6.異文化理解と国際化
  Ⅰ.企業ニーズ
  Ⅱ.学生への期待
  Ⅲ.海外留学
7.貧困老人
8.幸せの実現とは
9.国際人育成支援協会の役割
 
 

はじめに

社会人のあなたは、今は幸せですか。
理由があって高校にも大学にも進学できなかったあなたは、今は幸せですか。
フリーターとして働くあなたは、今は幸せですか。
定年したあなた、早期退職したあなたは、今は幸せですか。
専業主婦のあなたは、今は幸せですか。
シングルマザー、シングルファザーのあなたは、今は幸せですか。
日本にはいろいろな生活形態で生きている、本当に多種多様な人がいます。
男も女も、サラリーマンも自営業者も、非正規雇用者も、無職の方も、本当に人生いろいろ、それぞれの方の人生が物語です。
この本は、国際人育成支援協会の宣伝をしています。
しかし、本当はすべての人が幸せに生きていけるためには何が必要なのか、そのために教育ができることは何かを考えています。
特に「こんな教育があればみんなが幸せになるのではないか」を真剣に考えています。
幸せでないと思う方々は
いったい人生どこで間違ったのでしょうか。
生まれた時代が間違いだったでしょうか。
この本を手にしていただいたあなたと、一緒に考えていきたいのです。
所得格差がどんどんと拡大しています。老人破産も深刻な問題です。
有名大学・有名企業に就職しても安定ではなくなってきています。
正社員のサラリーマンでも定年まで安定就職ができるとは限りませんし、退職後の生活も安定ではなくなってきています。
まして、非正規の契約・パート・アルバイト社員は給与も低くて日常生活も余裕があるというわけにはいきません。
このような格差と教育とは関係がないように思えますが、実は教育制度が大いに関係していると私は考えております。
私の考えを書いていますが、私は日本人口一億人のたった1の人生経験でしかありません。
さらには地球人口の70億分の1でしかありません。
国際人育成支援と名乗っておりますが、本当に微々たる経験から申しております。
道徳書でもありませんので、堅い表現は極力避けるように心がけております。
しかし、多くの方に、ぜひこの先を読んでいただきたいと思います。
 
・国際人育成支援協会が目指す新しい教育とはどのようなものか
・それでみんなが幸せになるのか
 
ぜひお付き合いください。
 
 

1 職業選択は保障された自由。

日本国憲法第二十二条で職業選択は保障されています。
あなたは職業を自由に選択できるし、実際していますよね。
でも、本当に望んだ仕事に就けましたか。
本当に、その仕事はあなたを幸せにしてくれましたか。
 
 

2 多くの職業選択肢。

あなたは、いつ今の職業を決めましたか。
小学生・中学生の時に、将来はこんな職業に就きたいと思ったことがありますか。
その憧れの職業に就けましたか。
毎年、大学四年生は就職活動という人生の一大イベントを経験します。おおよそ半年間を費やして就職活動を行います。これによりその後の人生がほとんど決まってしまうと言っても過言ではありません。
大学生の多くは、多くの企業に対してアピールします。自分の専門とは無関係に、好きな企業かどうかも無関係に、ともかく有名企業に就職を望む傾向が強いようです。
企業側も学生に即戦力の期待を持っているわけではありません。
一度や二度の面接で学生の社会人としての能力がわかるわけがありません。
面接者の好みや、相性、大学ブランドなども大きな要素ですから、学生の本来の能力とは無関係に面接受けする学生、しない学生で結果が決まることも多々あります。
企業からすると大学教育にあまり多くは期待していませんので、企業での研修や配属後研修で学生を育てることに重きを置いています。
研究機関でもない限り、学生時代の専門とは無関係に配属先も決まります。
私は小学生や中学生の時代に、○○になりたいとは思いませんでした。
なぜなら、どんな職業があるのかも良くわからなかったからです。
学校で学んだ事もなかったからです。
テレビで知って、なんとなくカッコいいからその仕事をしたい、と思う子供もいるでしょう。
でも、大学生でも多くは就きたい仕事が漠然としているのではないでしょうか。
 
 

3 再度チャンスがあれば 多くの社会人が思うこと

I. 学校時代にもっと勉強しておけばよかった
II. 良い大学に入って、一流企業や役所に就職しておけばよかった
III. もっと自分に適した仕事があるはずだ
IV. もっと自分を評価してくれる会社があるはずだ
 
これは、一流企業人や官僚になれば、ある程度の裕福な家庭を築けるだけの補償、つまり安定収入が得られる。退職金などで老後も安定した生活を送れる。という事を多くの方々が実感されているからでしょう。
企業間の収入格差は結構あります。一部上場の有名企業、特に銀行、商社、メディア、保険、通信、外資などは、やはり他の業種に比べても収入が良いようです。
中小企業や零細企業は上場企業に比較しても、明らかに収入面での格差があります。
さらに、正社員と非正規社員(派遣、パート・アルバイト等)では大きな差が出ます。
さらに、少なくとも上場企業ならば健康保険・厚生年金等の社会保障が充実しているのですが、中小企業や零細企業、非正規社員は社会保障面でも大きな差があります。
最近は一流企業ですらメーカーを中心に、早期退職や、一定年齢以上は会社のラインから外れて、1年契約の給与の低い社員となる場合も多いようです。
国家公務員は年金支給年齢の高齢化にあわせて、退職年齢も伸び、かつ退職までの給与は下がらないという、非常に高待遇なのも役人天国と言われるゆえんでしょうか。
このような格差が表面化している現代であるので、親たちは自分の子供にはお金の面でも生涯困らないようにさせてあげたいと強く思います。
そのためには、良い大学を出て、良い会社か良い職業か国家公務員になることです。
ここで言う「良い」とは、生涯にわたって収入が良いと言えます。
さらに、最近は就職してもすぐに転職をする。それを繰り返すという若年層も少なくありません。
 
・自分はこのような仕事をしたくない、もっと良い待遇で良い仕事があるはずだ。
・自分の能力が今のままでは発揮できない。
・資格を取って働きなおしたい。
・海外で働きたい。
 
等々、理由は様々ですが、若年層のみならず、中堅層でもこのような意識を持つ方が男女問わずに増えています。
 
 

4 女性の活躍 女性の職業選択はとても大変です。

結婚・出産が大きな人生の分岐点になります。
会社で給与を増やすためには、出世して役職も上がる必要があります。
周りが認めるくらいに、実績を残す必要があります。
そのためには残業や休日出勤もいとわない仕事漬けの生活が続きます。
しかし、結婚生活はまさにこの仕事漬けとは相いれません。
結婚すると男性は女性に家事を任せたいと言うのがまだまだ一般的考えです。
よほど理解のある男性であっても、妻が仕事漬けでは結婚の意味に疑問を感じるのではないでしょうか。
しかし、専業主婦になりたくない女性も多くいます。
共働きでは、やはり女性の負担が大きく、会社生活の中で女性が出世して給与を上げるのは、なかなか困難であるのが現実です。
また出産はさらに女性の社会進出を困難にしています。
性が分かれている以上、女性の出産は抵抗のしようのない事実です。
子孫を残すことは人類存続の最低条件です。
ただし、女性の社会進出が増えた現代では、まだまだ出産は女性に不利な状況が多くあります。
専業主婦が良いという女性もたくさんおられますし、その方々はそれで幸せを感じておられるのですから、何もいう事はありません。
家族という集団を考えると、働く人、家庭を守る人、子育てをする人と、うまく役割分担されてきたのが従来の社会でしたから。
企業では、戦力として頼みにしていた女性人材が出産で長期離脱してしまうと、今時点のプロジェクトや仕事内容を誰かに振り分ける必要が出ます。
出産した女性が職場に戻っても、子育てしながらですから、子供が原因の突然の休暇や保育園から預けた子供が熱があるからとの呼び出しのための早退が結構あります。
企業からすると、仕事が最優先ですから、その仕事を担う人の時間が不規則では重要な仕事は任せられません。どうしてもアルバイト的な仕事を割り振るしかありません。
大企業なら、そのような女性でも雇用はできますが、中小・零細企業では一人分の人件費が企業存続に大きく関係しますので、社員であるならばそれなりの仕事をして欲しいし、突然の休暇や早退が続く人を雇うのはリスクが大きすぎます。
従って、企業では女性が出産すると本人からの退職を望む、または小さな子供を抱えた主婦は雇いたくないというのが本音です。
 
 

5 理想の学校

Ⅰ.大学が変わらなければ社会は変わらない
現在の学校教育の目的は大学に入学することです。
大学入学の最終目的は良い会社への就職です。
そのため、小学校から高校までの教育は画一化された受験目的のものになってしまいます。
結構裕福な家庭であれば、小学生のころから有名中学に向けての受験塾に子供を通わせます。
学校の授業では物足りない、知識エリートが育成されてゆきます。
さて、多くの高校生は大学に進学します。進学率は約56%(2015年)となっています。
高校生の二人に一人以上が最高学府に進学しています。
しかし、日本の大学は以下のような大きな問題を抱えています。
 
第一は、教授が学生を教育しないこと。(教育熱心な先生も多いですが)
第二は、単位取得が簡単すぎて、学生があまり勉強しないこと。
第三は、就職活動に1年間費やしてしまうこと。
第四は、アルバイトやイベントが主となり、学業が従となること。
第五は、授業料が高額で、納入できない家庭が少なからずあること。
第六は、世界の学生が日本に来たがらないこと。
 
小中高等学校では、画一的な授業のため、科目内容に興味が持てないとか、内容が理解できずにいわゆる落ちこぼれの生徒が少なからず出ます。また、それがいじめの根元にもなります。
しかし、学校の勉強ができること=すばらしい人でもありません。
人間はそれぞれ何かしら他人に秀でたものを持っています。また各個人が興味を持つこともそれぞれ異なります。
それは学校教育の範囲を外れていることも多くあります。そのような子供は学校では落ちこぼれとなり早々と排除されるのが今の教育制度です。
標準的な子供とエリートといわれる子供と落ちこぼれを作ってしまうのが今の教育制度です。
ではどうすればよいのでしょうか。
発達障害や引きこもりなどなど、団体生活になじめない子供も多くいますし、一つのことに集中する子供もいます。
勉強よりも昆虫に夢中になる子、サッカーに夢中になる子もいます。
どんな子供たちでも世の中が認めて、自立できるようにするのが理想だと思います。
学校教育は何度も言いますが画一的な知識を得ることを要求しています。
しかし、そのような知識だけでは社会で自立することは出来ません。
人間が生きて、世の中で自立して生活するための知識は学校ではあまり教えてくれません。
あくまで大学が求める知識を得るための勉強が小学校から高校までの授業の姿です。
それでは、理想の教育とはどんな教育でしょうか。
その教育を受けると
 
・誰でも社会で自立出来て、幸せに生きていける
・自分の人生の中で興味の持てる何かを見つけられる
 
事だと思います。
そして、その教育の結果
 
・生涯において生活が可能な収入を得られる
・自分の得意分野の仕事が出来る
・家庭を持ち、子育て出来る
 
のだと思います。
生活可能な収入というのも、人生のライフプランで考えると、
 
①親と同居して働く
②別居独立して働く
③家庭を持って働く
④子育てをしながら働く
⑤退職するという
 
ステージがあり、ステージごとに必要な収入は変化します。
収入よりも自分の道という考え方もあります。
芸術家、スポーツマンなどは特にそうです。
それも一つの道です。
ではあなたは
どのように興味を見つけますか。
テレビ、漫画、本などでしょうか。
 
 

Ⅱ.理想の教育

どうすれば自立できる?
日本語力が第一。
多くの語彙力を使った表現力により、自分の思いを正確に他人に伝えたり、他人の思いを理解したり出来ます。
いじめは、言葉で伝えられないというジレンマが要因の大きな要素でもあります。
語彙力を高めて、感情表現が豊かに出来る子供を育てれば、と思います。
引きこもり問題も、他人と上手く接触できないが、何らかの特殊技能を持っているという子供に多いようです。
他人に無い個性を大切にする事は、受験目標の授業では実現できません。
各自が生涯を自立できるために、その個性を使える手段を提供できる教育が必要だと思います。
現在の義務教育は6- 3制の9年間です。
最近小中一貫校が増えてきました。
小学校からの英語教育、IT教育も始まっています。
それはそれで、時代の要求に叶ったことではあります。
しかし、我々の考える理想の学校制度は
4―4―4制です。
初等4年中等4年ここまでが義務教育です。8年間一貫学校として入学します。
次の4年間が専門教育になります。
義務教育の8年終了で子供達が社会に出ても、海外生活をしても全員が自立できるための基礎を身に着けます。
専門教育修了で全員が仕事に就き、即戦力で活躍できます。
さらに高等な専門科目を学ぶ場合に、大学院課程に進みます。
子供たちの吸収力は大人の比ではなく、素晴らしく早いです。
子供の頃にたくさんの事を学び、基礎を早く作ります。
 
初等教育の4年間は
・自立するための基礎を学びます
 
国語力(読み書き、語彙力、読解力の基礎を学びます)
道徳力(人間として、相手への尊敬、感謝、良い事・悪い事を学びます)
国家観(海外に出ても日本人としての誇りを持てるように、日本の歴史伝統文化
をベースにした国家観を身に着けます)
英語力(世界標準の英語を第二国語としても使えるようにします)
算数基礎力(算数の考え方を身に着けます)
サバイバル(災害時や緊急時の自己対応の基本を身に着けます)
ディベート(相手の話を十分に聞き、自分の意見を言えるようにします)
社会生活(銀行、郵便局、宅急便、役所、病院等社会生活上必要になる
さまざまな利用方法を学びます)
芸術(音楽、絵画、舞踊等自分の好みを探します)
運動(自分にあった運動を探します)
料理(誰もが日本の伝統家庭料理や使用料理を作れるように基礎を学びます)
国際交流(多くの国の友達と接して、異文化を学びます)
 
中等教育の4年間は
・自立するための実践を学びます
 
初等教育の内容の応用に加えて
初等学校生の指導(年下の子供たちの指導により、弱者への思いやり等々を身に着けます)
科学、歴史、地理
IT力(インターネット、プログラム他)
ボランティア
社会の法律
いろいろな職業分野の理解
国際交流、海外短期留学
を学び、義務教育を終了します。
 
専門教育とは
義務教育期間で自立するための基礎を学びましたが、専門教育では生涯に渡って、
自立するための手に職を身に着けさせます。
現在の普通高校のように、大学受験を目指すだけの授業は行いません。
 
専門教育内容は選択制で
料理系、IT系、芸術系、経営系、会計系、医療系、工学系、理学系等々の専門教育
を受けます。
協会の提案する教育のすべては以下のようになります。
 
1.義務教育期間小学校4年間、中学校4年間→無償
2.専門教育期間4年間→無償
3.大学3年間(従来の大学院修士課程)→世帯収入により補助
4.博士課程→同右
 
義務教育終了でも社会生活が十分に可能となる教育を行います。
 
 

6 異文化理解と国際化

 
Ⅰ.企業ニーズ。
企業はグローバル展開を行い、成長を続けています。
そのためにもグローバル人材が求められています。
企業が求める人材は、単に語学堪能というわけでもありません。
語学はあくまでツールですので、その前提条件として社会人として国際的に活動できるベースが必要です。
ベースがしっかりしていなければ、語学が堪能でも何の役にも立ちません。
では、ベースとは何でしょうか。
日本国内ならば苦労しないことが、世界に出ると苦労することがあります。
大きくは生活習慣の違い、文化歴史の違い、商習慣の違いです。宗教観も生活習慣の一部です。
この差の感覚は、実際にその国でしばらく生活しない限り深くは身につきません。
本で読んだとしても、日本人は日本人のベースで考えて理解してしまいます。
それでは他国との違いをつかむことは出来ません。
外国人が日本人を理解するのも同じことです。自分たちの感覚で日本人を見るために
日本や日本人への違和感が出てしまうでしょう。
このような違和感から誤解が生じて、互いに良い方向だけではなく、悪い方向に進むこともあります。
でもこの誤解を解くのは容易ではないようです。
やはり、外国人と接することは学生の間にたくさん経験しておいたほうが良いでしょう。
いろいろな国の人と接することで、いろいろな感覚の違いが少しは理解できるようになります。
世界標準から大きく外れる、日本特有の事、それは理解の方法です。
自分の考えを相手に正確に伝えない限り、相手は理解してくれません。
外国人の間では特に文化や生活習慣の違いから、お互いを理解することが困難です。
それゆえ、自分の頭で思うことは正確に言葉で相手に伝えることが最低条件です。
外国人は皆、必死で自分の考えを話して、相手に理解をしてもらおうとします。
日本人はこれが出来ません。
言わなくても理解してもらえる。
場の雰囲気で分かってくれる。
一歩ゆずっておけば理解してくれるだろう。等々です。
すべて日本人が得意なことです。
日本人相手ならば通じることですが、外国人相手では一切通じません。
相手に理解を得るためには、自分の考え方を相手が理解するまで話して、議論するしかありません。
この点が世界に出るために、日本の教育で徹底的に抜けている部分です。
私達が考える教育では、このためにディベートを組み込んでいます。
海外に出て活躍するか、海外で住みたいならば、この点を訓練しておく必要があります。
多くの企業は国内市場から外国市場にシフトしています。
東南アジア、インド、南米、東ヨーロッパ、ロシアとまだまだ市場として未開の国が多くあります。
品質の良い、技術力の優れた日本製品は多くの国で歓迎されます。
さらに日本の電力、水力、鉄道、通信などのインフラ支援も多くの国に期待されることです。
現地に受け入れられる大きな要素に価格があります。
国内生産での国内人件費で価格が決定されると海外での価格競争に勝てませんから、企業は生産拠点を人件費の安い海外に求めます。
海外での雇用は増加しますが、逆に日本国内の雇用は減少します。
企業の海外展開も、いろいろな問題を含んでいます。
 
Ⅱ.学生への期待
企業は学生を即戦力として雇用しません。
採用後には莫大な投資をして企業研修を実施します。
しかし、学生側が学生時代に社会に出ても即戦力となるような様々な事を学んでいるならば、企業と学生のマッチングは容易ですし、
企業側も事業別の採用も出来ます。さらに毎年1回の定期採用ではなくて、通年採用が可能になります。
何よりも採用後すぐの退職も多くは避けられるでしょう。
日本国内全部の企業の研修費は莫大です。
これらの費用を即戦力の学生採用によって大幅に下げられるでしょう。
その削減費用が企業の新規投資や社員給与に跳ね返ると、好循環となります。
 
Ⅲ.海外留学
海外留学のメリットは言うまでもありませんが、現状では大きなデメリットが3つあります。
 
①日本人の英語力が弱く、授業についていくのがなかなか困難。
4年制大学への正規留学の場合に、入学時にTOEFL、IELTSの英語スコアで入学可否が判定されます。
しかし、実際に入学すると授業の講義内容や議論についていけません。
話の内容が高度ですし、毎回の授業は議論中心ですから、人の話を理解して、自分の考えを英語で話さなければなりません。
日常会話ではないので、このような授業についてゆくのに苦労します。
多くの留学生は2年~3年で慣れてきますが、ともかく猛勉強が必要になります。
成績も問題になります。落第点を取ると退学という険しい現実があります。
成績は日本のように学期末テストとレポート提出という訳にはいきません。
授業への出席、毎回の小テスト、宿題、レポート提出、授業での発言で点数が決まります。
学期末テストはあくまで落第しそうな人への最終支援です。
ともかく、4年間が日本の大学とは異なる猛勉強の日々になります。
 
②費用面で多額
留学にはとてもお金がかかります。
特に米国はほとんどが私立です。UCLAのような州立大学も州内出身者は学費が安く、次に米国出身者が少し安い。外国人はとて
も高額になります。
私立で言うとハーバードなどアイビーリーグのような超有名大学は年間授業料で500万円は覚悟が必要です。
他の私立大学でも300万円程度は必要になります。
学費以外にも傷害保険が必須です。学生留学の場合には1年間で保険費用が70万円程度です。
もし保険加入をしない場合には、米国での医療費の高額に驚くことになります。
盲腸手術で300万円、救急車を呼んでも、歯を治療しても莫大な請求に悩まされます。
その他、寮費、生活費を含めて年間500万円~700万円が普通に必要になります。
日本の大学の学費の高額さが問題になりますが、米国など日本の比ではありません。
奨学金の面でも、日本はあまり期待できません。
返還不要の多くの奨学金は日本の大学在籍者とか、科学分野の優等生というような縛りがあります。
米国の大学奨学金もほとんどが米国人対象ですから、留学生は金銭的援助を期待するのは難しいと思います。
 
③就職問題
留学生の就職は恵まれている面もあります。
米国での場合に、毎年ボストン、ロス、NYで、就職したい学生向けに大々的な就職フォーラムが開かれます。
日本から多くの有名企業が外資系も含めて参加します。
学生は企業回りをしなくても、このフォーラムで面接を受けて、成績次第で就職合格します。
多くの企業は成績にGPA3.0(日本の大学でいう総合で良評価以上)を基準としているようです。
しかし、日本の企業に採用されても、必ずしも留学経験が必要な部署に配属されるわけでもありません。
ここでも企業側に留学生への理解不足があるようです。
 
 

7 貧困老人

若者や現役世代には、あまりピンとこない話題ですが、ライフプラン上に避けては通れない大きな問題があります。
株式上場企業や公務員ならば退職後の一定年齢で厚生年金が得られます。企業年金や退職金も出る会社もあります。
その額は勤務年数や役職でも異なるでしょうが、退職金で1000万円~2000万円、厚生年金で月額15万円程度です。
中小零細企業では国民年金となります。これは月額5万円程度です。
会社定年が65歳として、その後の人生設計を考えてください。
毎月に必要な最低額はどの程度でしょうか。
医療費や冠婚葬祭費用、交通費なども会社を辞めると自費です。
85歳まで元気にいるとして、20年間の生活が必要です。
自分で毎月・毎年の費用を計算してみてください。
おおよそ毎月15万円での一人暮らしならば、娯楽も楽しみも無い、最低限度の生活費用ではないでしょうか。
夫婦二人の生活ならば、最低限月額20万円は必要で、年間240万円となります。20年では4800万円必要となります。
これでも最低限ですが、その費用はどこから出ますか。
自己努力しかありません。
一生涯にわたって自立できるように、将来を見据えた仕事選びが重要になります。
職業選択はとても重要になるのです。
 
 

8 幸せの実現とは

誰でも自立できること。
自立とは、「生涯において家族を養えるだけの収入を得られること。」です。
これがすべての国民の幸せの実現です。
では、いかに自立できるか。
それは、一生涯役に立つ技術を持つことです。
どんな技術でも良いのです。
農業、料理、子育て、裁縫、経理、数学―――。
どんな分野でも、一人前一流になれば、世界中に仕事はあります。
日本国内に仕事が無くても、海外では需要があります。
すべての人が自分の個性を発揮していれば良いのです。
しかし、コミュニケーション力が必要です。
英語力も必要になります。
 
 

9 国際人育成支援協会の役割

我々が国の教育制度をすぐに変えられるわけでもありません。
しかし、理想とする教育に少しでも近づけたいと思います。
我々の目的は「若者が皆自立して幸せな生涯をおくること」です。
そのための目標は、保育所から大学までの学校を作り、自分たちの教育内容を実施することです。
その目標に向かう、最初として現在の協会の主な活動は
中学・高校生向けに以下のセミナーを定期的に実施しております。
21世紀を担う若者たちに多くの職業選択の幅を広げるための支援を行っております。
 
・現役社会人による多くの職業内容紹介セミナー
・起業家育成セミナー(ゲームを利用した企業経営、有名経営者との対話等)
・ディベートセミナー(初歩、中級、応用、日本語・英語クラス)
・英語で数学(中学・高校レベルの数学)
・英語で物理化学(中学・高校レベル)
・最先端科学セミナー(人工知能、宇宙学、生命科学他)
・国際交流合宿実施(地方での共同生活)
 
今後、理想の教育に一歩でも近づけるように、多くの試みを実施してまいります。
教育は国の根幹です。
50 年、100 年先を見据えて、早めに手を打たなければ、現在の老人過多による多くの弊害、
フリーターの増加での貧困差の拡大、いじめ等々の問題解決は出来ません。
さらに日本の企業も生き残りが難しくなります。
企業の人材育成も大きな課題です。
世界に通用する世界標準となる基礎技術、応用技術、ノーベル賞級の研究者も
どんどんと育成しなければなりません。
若者たちが自立して幸せに暮らせる、または世界に羽ばたいて自立できる。
そんな時代を作るために、我々は活動しています。
皆様にも当協会の活動内容にご賛同いただき、ご協力を頂けますようにお願い申し上げます。

終わり。