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商品開発から透けて見える日本の行く末

西本徹郎


約 3705

技術大国日本を衰退させる利権構造社会

 

約30年間、除菌・消臭・アロマ等バイオ系商品やバイオマスプラント開発に携わっていました。開発したほとんどの商品は、お蔵入りか、日の目を見る事なく、製造中止となりました。私の持っている、特許、技術が海外流失する恐れがあるので、市場は日本限定とし、日本のECサイトに出店し、界面活性剤、アルコール不使用、除菌・消臭・アロマ水溶液を販売していました。最近、中国ECサイトから、HPを見ました。無料にするから「出店して欲しい」と依頼が多く届いています。中国は大気汚染(PM2.5)がひどく、年中「高性能マスク」が必要です。高性能マスクは高く、家族5人6人の年間マスクは高額出費です。また高性能マスクは息苦しく、不快感があります。

 

以前、ディーゼル排気ガス中PM2.5、ベンゼンなど有毒ガスを浄化する排気ガス浄化装置、浄化液を製造した経験があり浄化液は、PM2.5、ベンゼンなど有毒ガス除去だけではなく、細菌・ウイルスの殺菌機能のある試験データを大学、公的機関で出していました。コア技術は台湾ヒノキ、青森ヒバオイルなど植物オイルを、界面活性剤、アルコール不使用で、自然水だけで水溶液にした物です。浄化液を製造する時、界面活性剤、アルコール等化学品が使えないのは、排気ガス中の有毒ガス成分と界面活性剤、アルコール等化学品が化学反応を起こし、より発癌性の強い危険な物質になる可能性や悪臭になるリスクがあるからです。台湾ヒノキ、青森ヒバオイルは、PM2.5,ベンゼンなど有機溶剤分解力、細菌、ウイルス殺菌力を持っているので、水溶液とし、中国市場を意識し「シュッと1拭き、マスクのパワーUP」商品を作りました。界面活性剤、アルコール不使用が上場企業中国人爆買いルートのディスカウントストア―中国人バイヤーの方に高く評価され、商談中です。10年前頃から、日本は少子化、高齢者社会と言われるようになり、色々の方から、プラント投資、商品販売は人口が増え、若年層の多い「アメリカ、中国など海外に進出しましょう」と言われていました。2013年頃から中国人「爆買」が始まり2015年「爆買い」はユーキャン流行語大賞になりました。今後、日本市場より、中国など海外市場で販売にシフトしています。
 
 

さて商品製造の流れは、例えば殺菌剤を作る時、市場調査をして、販売可能の場合、大学や、研究所の先生に原料や、成分の種類、性能、安全性など専門的指導を受けます。大学や、研究所からもらったデータを基に研究部門が試作品を作り、公的検査機関で安全性などのデータを出し、国、県の製造・販売許可が必要な場合、許可を取ります。試作品データ等を役員会で承認し、製造部門が製造開始、HPで商品の成分、効能・効果などの案内や広告宣伝費をかけながら販売します。ほとんどの、商品開発は、問題が起きている豊洲市場移転の手続とほぼ同じです。土壌汚染対策で、専門者会議、技術者会議が出した結論を無視し「盛り土」をしていなくてもHPの「盛り土をしているから安全です」と言ったり、都議会で「盛り土をしているから安全です」と答弁しても、ウソがばれたら「盛り土をしない」提言は「民間設計会社が出した」と都議会で捏造答弁しても、法的にも問題なさそうですし、信用がなくなっても、東京都が倒産する事もありません。民間企業でしたら原料や成分を改ざん、偽造したら代表者、責任者は逮捕され、信用を無くし会社は倒産します。「お役人天国」「大企業病」の根源は「ガバナンスの無さ」「無責任体質・隠ぺい体質」「縄張り意識、利権、既得権体質」ではないでしょうか?私は30年余、大学、国の研究機関、大企業研究所と共同研究をしていました。大学、研究所、国、自治体に利権と言う闇の部分があります。研究者は総取りする世界で足の引っ張り合いが激しくドロドロしたところです。日本の自然科学分野の研究費は2014年度、国、民間合わせて17兆5700億円と巨額です。

 

イノベーション、新技術で日本を創生するべき研究費は、サブタイトルの技術大国日本を衰退させる利権構造社会になって、逆に日本経済を衰退させています。アメリカ、オーストラリアの研究者との違いは、日本のトップにいる研究者は「研究成果を出さない」事です。どう考えてもおかしな話ですが、研究成果が出ると、次年度研究費が出なくなり、研究チームは解散、所属研究員は職を失います。ですから研究成果が出たら困ります。しかし、余り研究成果が出ないと、研究費打ち切りになりますので「兼ね合いが難しい」国の研究所の責任者が言うのを聞いて暗澹とした気持ちになりました。身分保障がないので安心して研究に身が入らないと言われますが、技術革新に遅れると、企業、国はあっという間に衰退します。私は最も技術進歩の速いIT,バイオ関連産業でビジネスをしていました。人生で最も印象が深い出来事が、デジカメの出現で、世界的企業の、コダック、ポラロイド社は倒産です。2003年当時の富士写真フイルム社長は「トヨタは車がなくなったらどうなるのか?我々はそれほどの危機に直面しているのが分からないのか?」と会議で言われたそうです。富士写真フイルム全盛の時から、フイルム、印画紙などの購入でコダック、富士フイルムと取引きが有った私は、富士写真フイルム担当者から、会議の社長の発言を聞いた事が昨日のようです。しかし富士写真フイルムが凄いのは、フイルム製造で培った「ナノ粉砕技術」を化粧品に応用し新たな事業を創造し、会社存亡の危機を脱し、エボラ出血熱ワクチンを作る企業に変身した事は尊敬に値します。

 

イノベーションは創造的イノベーションと、破壊的イノベーションが有ります。1975年デジカメを世界で初めて作ったのは、誰あろう「コダック」です。1880年創業のコダックは、デジカメを1975年開発しました。開発からわずか37年後2012年破産申請をニューヨーク連邦地裁に出す事になりました。自分が作った技術で、自分自身を破滅させたのは皮肉な出来事です。当時、印刷会社を経営し、全盛期のコダック、富士写真フイルムと取引していた、私には忘れられない出来事でした。原稿をかいていましたら、ギャラクシーノート7が爆発し、「生産打ち切りする」とのニュースが出ています。十数年前、サムソン李前会長の講演会に行き、李前会長と少し雑談しました。当時のサムソンは世界的企業になったばかりで、更に上昇気流に乗っていた時です。あれから、十数年後、スマホ爆発でサムソンブランドの信用に対するダメージは大きく、ギャラクシーノート7はサムソンの最先端技術ほぼ全部使われているそうです。欠陥原因をおろそかにしたままでは消費者の信頼回復は困難と報道されています。ギャラクシーノート7が爆発した原因は、ライバルのアップルより早く最新製品を出そうとした、焦りがあったと言われています。更に焦りが、欠陥でリコールとなった状態を、早く収拾させようとした、焦りが状況を悪化させたと言われ、2015年に1997年アジア通貨危機以降初めてとなる研究・開発費削減と関連人材リストラが、今回の事態を招いたと報道されています(東洋経済オンライン引用)報道を読んだり、聞いたりしながら李前会長の講演でサムソンは研究者、技術者を大切にしている事を力説し、会社の方針は研究者・技術者の「意見を重んじている」と話されていたのを思い出しています。サムソンの売上高は韓国GDP約16%を占めていると言われ、仮に経営危機に陥ると、韓国が経済危機になると言われ、1番不幸になるのは国民です。日本経済が成長し経済の好循環させるため、新技術開発が重要です、しかし技術はすぐ陳腐化します。コダック、ポラロイドは、技術革新の波に乗り遅れ、富士フイルムは、長年培った技術で危機を脱し、更に発展を続けています。長年、研究・開発して来た経験から、技術・イノベーションは利権・既得権を嫌います。優秀な研究者、技術者は海外流失します。中国、韓国にヘッドハンティングされた、研究者、技術者の方を多く知っています。テレビ、冷蔵庫、パソコン、コピー機スマホなどなどは日本が開発した技術です。技術、人材が海外流失した結果、ご承知の通リ、シャープは台湾鴻海精密工業傘下で再建する事になりました。他の家電メーカも洗濯事業部などを中国に売却したと報道されています。台湾傘下のシャープは新製品を次々発表していますが、もうシャープが払う税金は日本に入りません。新しい技術の研究・開発は資金が必要です。国、自治体の研究費名目の補助金は1部のボスが取り仕切きる利権となっています。私も国・自治体の補助金で利権グループに煮え湯を飲まされました。もう二度と国、自治体に係りたくありません。研究開発に携わる人材が少なくなると国は衰退します。国の未来を左右する研究費を利権化、既得権とするべきではありません。