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直虎、井伊谷城を奪われる|井伊直虎の生涯 前編(12)
この日を一番待っていたのは、後がない小野政次だった。 氏真は風前の灯だったが自覚はなく、駿河・遠江守護の権威を振りかざしまだ命令書を出し続けている。 実質守られることは少ないと、皆が知るようになって[ 続きを読む ]
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井伊谷城主、直虎の治世|井伊直虎の生涯 前編(11)
直虎は、心中、今川氏との決別を固く誓っていた。 今川一門に通じる寺、浄土寺にいては、いずれ直政の命が危険にさらされる。 直政を早く安全な地に移らせなければならない。 松下清景に直政が安全に過ごせる地を[ 続きを読む ]
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直虎、井伊家当主に|井伊直虎の生涯 前編(10)
直虎は、中野直由からの知らせ「謀反人の遺児とされた直政殿を捕らえようと追手が来るので、奥山屋敷に母子とも逃がしました」に驚き、事態の広がりに恐怖した。 直(なお)親(ちか)の後継は、嫡男、直政しかいな[ 続きを読む ]
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直親、井伊家当主に|井伊直虎の生涯 前編(9)
直虎は、父、直盛五四歳を失った。 なぜ必死で逃げなかったのか、わからない。 義元との親密な関係をよく知っていたが、何よりも直虎のために生きなければならなかったはずだ。 武将の生き様を直虎に教えていると[ 続きを読む ]
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直盛の決断|井伊直虎の生涯 前編(8)
直盛は、直(なお)親(ちか)を井伊谷に戻らせ「ようやく取り戻した」と心弾んでいた。 井伊家の為に、今川勢の一角を担い戦い続け、多くの資金と兵力を投じ、義元の信頼を得ている。 義元はこの頃、快進撃を続け[ 続きを読む ]
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直親の裏切り|井伊直虎の生涯 前編(7)
直(なお)親(ちか)は、腹立たしい思いで東光院に入り、今までの暮らしを振り返る。 一五四五年、一〇歳から松岡貞利に庇護され、松源寺に入り、成長した。 下伊奈の国人、松岡貞利は、信濃守護、小笠原氏に属し[ 続きを読む ]
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直虎、出家する|井伊直虎の生涯 前編(6)
一五四三年、井伊家嫡流の一人娘、直虎は七歳で父のいとこ、同年齢の直(なお)親(ちか)を婿養子とする婚約をした。 父、直盛は、直(なお)親(ちか)を思うように育てたいと、まず養子とする。 その後、直虎の[ 続きを読む ]
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直虎と直親|井伊直虎の生涯 前編(5)
父、直盛の命令で、直(なお)虎(とら)七歳は、同い年の直(なお)親(ちか)と婚約した。 いくつもの儀式をこなさざるを得ず、窮屈で嫌だったが、父母に見つめられ、やむなくこなした。 直(なお)親(ちか)と[ 続きを読む ]
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直虎の父、直盛|井伊直虎の生涯 前編(4)
直宗の死に唇をかみしめる直平、家中に緊張感が漂う中で、直(なお)虎(とら)に代る嫡男が生まれないまま、直盛は井伊家当主となる。 それでも、直盛は、なぜか落ち着いていた。 直(なお)虎(とら)の成長に満[ 続きを読む ]
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直虎、誕生|井伊直虎の生涯 前編(3)
氏輝が今川家を引き継いだどさくさに紛れて、井伊家に戻った直盛。 一つ年下の妻、千賀と井伊谷城での暮らしが始まり、仲よく過ごした。 七歳で井伊谷を離れ、二〇歳で戻った大好きな故郷だ。 長く待ちわびた日々[ 続きを読む ]
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直虎曽祖父、直平と娘、直の方|井伊直虎の生涯 前編(2)
井伊家は伊井谷を本拠として以来、この地を守り、遠江守護に従いつつも、独立性を保ち、綿々と続いた。 だが、南北朝の戦いでは、南朝方で戦い、北朝方の今川氏に敗れ、敗者となり、一三九二年、北朝に吸収される[ 続きを読む ]
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井伊家の始まり始まり??|井伊直虎の生涯 前編(1)
井伊家といえば、幕末のヒーロー、江戸城桜田門外の変で殺される大老、井伊(いい)直(なお)弼(すけ)が有名。 幕府を背負い国難を乗り切ろうと奮闘するが、江戸城桜田門外(東京都千代田区霞が関)の変で殺さ[ 続きを読む ]